今日は何の日?

2秒以内に即答できる人は,日本で3万人くらいですかね(適当)。

 

今日は,平成27年度司法試験の日です。とは言っても今日だけではなく,今日から13日,14日,中休み,15日,16日と続く長期間の試験なのです。

科目は憲法,民法,刑法,商法,刑事訴訟法,民事訴訟法という基本六法に加え,行政法,選択科目(8科目の中から受験生が任意に選択)の合計8科目です。

 

試験形式も論文式試験が2時間×7科目(選択科目だけ3時間),短答式(5択マークシート)が憲法,民法,刑法の3科目だけで175分(2時間55分)。

合計で19時間55分という長丁場です。ほぼ20時間ですね。これでも今年から短答式試験で商法,刑事訴訟法,民事訴訟法,行政法が問われなくなったため,総合計時間は短くなりました。因みにこれだけの時間ですが,ぼーっとしてる時間はほぼありません。一瞬たりとも思考を止めることができないくらい時間が足りない試験なのです。

 

論文試験では,各科目およそ30分くらいで答案構成をし,残り1時間30分でひたすら書きまくります。大体答案用紙5~6枚程度ですかね。一応最大で8枚まで書けることになっていますが,そこまで書ききるにはどうしても時間が足りないことが多いです。試験が終わったら指がプルプルして箸も持てないくらいです(試験直後に箸を持ったことがないので断定は出来ませんが)。

短答式では1問あたり3分程度しか時間をかけられないので,素早く問題を読み,知識を総動員させつつ選択肢の正誤を判断していかなければなりません。

 

改めて振り返ってみると,やはりとんでもない試験ですね。正直言ってもう二度と受けたくはありません(笑)。アメリカ横断ウルトラクイズではないですが,「知力,体力,時の運」全てが備わっていないと合格できない試験だと昔はよく言われました。

 

私は弁護士になってからずっと,ご縁があって立命館大学法科大学院で司法試験受験生の指導をしてきたので,毎年この時期は気が気ではありません。自分が受験生だった頃を思い出すと,今の受験生たちの気持ちが痛いほど分かるので,なんとか一人でも多くの教え子たちが合格してくれることを祈るばかりです。

 

 

「先生のおかげで合格しました!」と言ってもらえたときは講師冥利に尽きると思うものです。私の担当は正課の授業ではなく,課外でのゼミでしたので,問題文の分析の仕方,法律文書の作成方法,論点抽出方法,実践的な答案の書き方などしか教えられませんでした。私は研究者ではないので,実務家の端くれとして,実際の業務の際の書面作成方法,思考方法などをベースに司法試験とリンクさせつつお話することがメインでした。

 

それでも毎週何通も答案を添削し,京都まで通って3時間ゼミをするというのは,まだまだ修行中の弁護士業務の傍らで行うにはかなり体力的にきついものがありました。事務所には迷惑をかけられないので,事務所の休みの日に自分の休みを潰してやってましたからね。

 

 

しかし,最近の司法試験の問題というのは実務を意識している部分もあり,実際の自分の業務に活かすことが出来たりして,教えているこちらも勉強になったものです。

 

 

弁護士を取り巻く昨今の状況,修習における貸与制,合格率の低下など様々なことが世間では喧伝されており,受験生の方々は純粋に合格だけを考えればよいという訳にもいかず大変だろうと思います。

ただ,やはり私は弁護士になってよかったと思っていますし,今のところ独立して本当に良かったとも思っています。この辺の状況は個々の弁護士によっても異なってくるでしょうが…。

 

 

昨日は台風の影響で全国的に強い雨が降り今日の試験が危ぶまれましたが,今日の天気は台風一過という言葉が相応しい,雲一つない青空が続いています。この調子で試験終了までせめて天気だけでも恵まれるといいですね。

 

 

私が関わった受験生の一人でも多くの方が合格されることを祈念しております。

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